コマ割りやかっこいいカメラアングルが思い浮かばす、ネームに苦戦していますが
「もう顔だけセリフ漫画でもいいから、とにかく描き起こせ」
という心境に至りました。
海外(主に英語圏)では「漫画」は「comics」と翻訳してアメコミ系を指すようですが、『にっぽんの漫画』はカナで「マンガ」であってそのまま「MANGA」と表記して相対化していることに気づきました。
で、肝心の日本国内では「漫画」も「マンガ」も特に明確な区分はしていない気がします。
浪人時代に読んだつげ義春の『別離』の作中で
「漫画は『漫』という漢字を当てられている時点で、もう高尚な芸術はなり得ないのだよ」
みたいな、つげ義春の絶望感が滲み出たセリフが、つねに頭をよぎります。
確か『無能の人』にも似たようなセリフがあった気がします。
ちばてつやせんせいが文化勲章を受賞したので、ようやく漫画(或いはマンガ)も日本の文化としての市民権を得た次第ですが、作品が現れてはすぐに消える大量消費コンテンツでしかない現状に、つげ義春と同じ諦観と絶望感が付き纏うのです。